辞 書

・ハイムリック法とは・・・

食べ物や異物などを喉につまらせたときに異物を除去し窒息を緩和する応急措置方法。
背後から両腕を腹部に回し、片腕は拳を作り、もう一方の掌をその拳に重ね胸骨と臍の間を上向きに強く圧迫する。
幼児には本法は適用せず、背部叩打法や胸部圧迫法を用いる。

・背部叩打法とは・・・

気道に異物が入ったとき除去する方法の一つです。
頭を体より低くさせ手のひらの付け根の部分で背中(肩甲骨と肩甲骨の間)を強く叩きます。
「 乳児・新生児・妊婦の場合」でも行うことができます。
なお意識がないとき・異物がとれず意識がなくなったときは、背部叩打法などは行なわず、ただちに心肺蘇生法を始めます。

胸骨圧迫とは・・・

心肺蘇生法の中心を成す対処法で、心停止した人の胸の心臓のあたりを両手で圧迫して血液の循環を促すことである胸骨の下半分、胸の真ん中に手の付け根を置き、少なくとも5cm沈むように圧迫する。
肘を真っ直ぐ伸ばし、少なくとも100回/分の速さで圧迫を繰り返す。
心肺蘇生の国際ガイドライン(2010年改訂)では、心肺蘇生法の中で胸骨圧迫の迅速な開始と、中断の最小化がもっとも重要視されるようになった。
なお心臓マッサージは外科医師が胸を切開し手で直接心臓を揉むという方法であって、胸骨圧迫は心臓マッサージではないという話をきくこともあるが誤解である。
胸を切開して行う心肺蘇生法は開胸心(臓)マッサージ、開胸CPRといい二次救命処置(Advanced Life Support; ALS)に含まれるが、それに対して開胸せずに行う心臓マッサージを閉胸心マッサージということがある。
その閉胸心マッサージの中で、医師や救急隊員以外の一般市民が救急車が来るまでの間に行う一次救命処置(Basic Life Support; BLS)として推奨されている心マッサージがこの胸骨圧迫である。

気道確保とは・・・

呼吸に必要な酸素の通り道である気道の物理的な閉塞を予防、解除することにより窒息を予防し呼吸管理を行うための処置である。
心肺蘇生においては、まず第一に行われる処置。意識レベルの低下した人では筋肉が弛緩(シカン)し、舌根が後方(背側)に落ち込むために上気道を閉塞する。
これを「舌根沈下」と呼ぶ。
また、意識が正常であっても声帯の固定、気管内の腫瘍による閉塞、気管周囲の腫脹による圧迫あるいは気管支喘息などさまざまな要因で気道が閉塞してしまうことに対し呼吸のための換気路を確保する要することがある。
原因の如何に関わらず気道閉塞は一刻も早く取り除かなければならない。

・注意

異物を探す為に口の中を覗いたり、指で探るなどは行わない。
異物を奥に押し込んでしまう可能性があります。
そのようなことに時間をかけずに胸骨圧迫をすぐに行います。
「胸骨圧迫」により胸腔内圧が高められ、原因の異物が出てくることがあります。
気道確保に際して口の中に異物が見えた場合は、容易に取り除けるならば、取り除きます。
人工呼吸ができるようになることがあります。

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