防災豆知識

一般家庭における危険物

天ぷら油による火災の危険

・天ぷら油の特性

現在市販されている天ぷら油(菜種油、コーン油、大豆油等)
はその温度が発火点(約360℃~380℃)以上になれば、
火種がなくても発火して燃焼を始めます。
一般に家庭で使用する油量程度の天ぷら油(使用前のもの)
を家庭用ガスこんろで加熱すると、約5分で揚げ物に適した
温度(約160℃~200℃)に達し、そのままの状態で
放置しておくと約10分ほどで異臭とともに白煙が立ち始め、
20~30分で発火点に達し火がつきます。
また、天ぷらなどに一度使用するなど、鍋に揚げかす等が
ある場合には、それが灯芯となって200℃近くで発火する
ことがあり、加熱し始めてから発火するまでの時間が短く
なることがありますので、ちょっと目を離したすきに火災
になってしまうことも考えられます。

・離れる時は火を消す

天ぷら油火災の多くは、天ぷらを揚げているときに来客、
電話、子供の世話などでこんろから離れた時のような
ちょっとした油断が原因で発生しています。
このため、天ぷら油火災を防止するには、調理油過熱
防止付きこんろや住宅用自動消火装置等安全装置のついた
機器を使用することが最も有効ですが、いったん火を付け
たら、絶対にその場を離れない、どうしても離れる必要が
ある場合には、こんろの火を消してから離れる習慣をつける
ことが重要です。

・もし天ぷら火災が発生したら

(1)炎が小さく(炎が10cm程度)油面上をちらちら動き回っているような場合

こんろの火を止め、鍋の全面を覆うふたをして空気を遮断することにより消火することができます。ただし、すぐにふたをとると再び発火するおそれがありま すので、油温が十分下がるまで待ちましょう。

(2)炎が大きく(炎の高さ20センチ以上)安定した状態で油が燃焼しているような場合

炎が大きい場合は、消火器で消火する方法がもっとも良い方法です。最近は、住宅に適したものとして開発された小型で軽量な住宅用消火器や、スプレ ーのように使用するエアゾール式簡易消火具など、容易に扱うことができるものがありますので、各家庭の台所に1本備えておくと、万が一火災が発生した  時に安心です。

灯油等の漏洩事故を未然に防ごう

・灯油の漏洩による危険物事故を防止するために、私たち一人一人が次のことを改めて確認し、事故防止につとめましょう。

1・灯油等危険物施設及びその周辺の状況について定期的に点検しましょう。又、器具、配管等の劣化、破損等の有無を確認し事故の防止につとめましょう。

2・灯油をホームタンクからポリタンクへ小分けするときは、その場を離れないようにしましょう。又、急用でホームタンクから離れるときは、バルブの閉鎖を必ず確認しましょう。

3・ホームタンクから灯油等の流出を防止するため、ホームタンクに防油堤などの施設を設置しましょう。

4・ホームタンク等に貯蔵してある灯油等について、定期的にその量を確認しましょう。

5・危険物施設周辺では、地下埋設の配管に十分留意して工事を行いましょう。

6・万が一、灯油漏れ事故が発生してしまったときや、外出時などに河川・湖で、油膜、異臭にお気づきになられた際は、消防署か市町村役場、保健所へ通報をお願いします。

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